カテゴリー: 書籍

  • 魚類の社会行動3部作

    魚類の社会行動3部作

    魚類の社会行動3部作

    やっと読み終えました。

    この本がずっと気になっていて欲しくて欲しくて堪らなかったのですが、なにせ学術本。高い。1冊3000円弱もします。Amazonで中古が出るまでガマンガマン。

    今春にやっと中古が3冊とも出そろったので即購入。それでも7000円以上しました。

    早速読んでみると、「社会行動」といっても生殖活動のことです。各センテンスごとにその研究をされた学者さんがなぜその魚を選んだのか、どうやって研究テーマをしぼったか、フィールドワークの難しさやご自身での検証結果など生物学を専攻したことがない私でも興味をもって読み進めることができました。

    なかでも、ミスジチョウチョウウオのパートナー認知とディスプレイ、テンジクダイ類の雄による子育てと子殺し、サケ科魚類における河川残留型雄の繁殖行動と繁殖形質は読みごたえがありました。

    ミスジチョウチョウウオはつかず離れずペアで行動しているのに、摂餌してるあいだにパートナーを忘れることがあるというおっちょこちょい的な部分があったり。

    テンジクダイの雄が口内保育をするのは当たり前でしたが、今保育中の卵を孵化させること引き換えに今後の自分の生殖可能性と天秤にかけてそのまま自分の栄養として食べてしまうことがあって、それが自分のハレム外からきた雌との間の受精卵だとより多いというのは心情的に納得できます。

    サクラマスとヤマメも同類だと知りませんでした。

    インストラクターである以上、魚の生態について見聞をひろめておかないと、ね。

  • ほぼ命がけサメ図鑑

    ほぼ命がけサメ図鑑

    ほぼ命がけサメ図鑑
    ほぼ命がけサメ図鑑

    最近メディアでよく見かける、シャークジャーナリスト?沼口先生の著書。
    その名の通り、サメ本。
    10/4に関西ローカル番組「ビーバップ!ハイヒール」でも特集されていましたのでご覧になった方も多いはず。
    この本にはその番組の内容もすべて網羅されております。
    タイトルからすると、ゾクッとしてしまうようなことがあったのかと思いましたが、そうではありませんでした。
    ネタばれになるので書きませんが。

    沼口さんがサメに憧れた原因や大学時代からのサメとまつわるエピソード、サメ肉を食した感想など盛りだくさんな内容です。
    最初、ただ単にサメが好きが高じただけのオタクかと思いましたが、
    れっきとした生物学を研究していた方だったのですね。
    何体もの解剖をされてサメの隅から隅まで知り尽くした人だから書ける本です。

    難しい話は全くなく、エッセイのような数ページ読み切りタイプなので本が苦手な方で読みやすいです。
    ダイバーがサメに遭遇できるのもサメ出現率の高いポイントでも遇えない人は遇えないので
    なかなかサメの生態について分からないことだらけです。

    海に携わるものとして、読んでいて損はないと思います。

  • ダイビング事故の法的責任と対策

    中田誠先生の著作本
    中田誠先生の著作本

    facebookの広告欄で<<半額以下>>に釣られてポッチっと。
    読んでみて、大変勉強になりました。
    ダイビングリーダーとしての責任の重さと初心者相手におこなう講習やツアーにおいてインストラクター、ガイドの注意力の必要性。
    法的な責任について考えさせられる一書となりました。

    もともと講習をやってきた私も、ダイバーはCカード取得した時点でダイバーとしての自己責任として全ての責任を負わせることに疑問がありました。
    ですので、一応は自己責任です、と説明はしていますが、免責同意書を書いてもらってもダイブリーダーとしての責任は免れ得ないと思っております。
    そのためにも事故を起こさないように細心の注意とさらなるリスク管理が必要です。
    免責同意書自体、「法的になんの効力もない」としても書いてもらうのが指導団体の基準であり、その基準に則って講習やガイドをしているわけで。

    基準に沿わずに講習やガイドをおこなっているインストラクターこそ、責任を取らない身勝手極まりない人だと思う。
    以前、一時期指導団体の優秀賞を何度も獲っている、ショップの民事訴訟のニュースが流れていたが、自己弁護の言訳が見苦しかった。

    この本を読んだ後、以前の著作も取り寄せて読みました。
    事故事例については、参考になりました。
    しかし、表題の一冊を読めば、じゅうぶんです。

  • はじめての魚類学

    はじめての魚類学
    はじめての魚類学

    アマゾンで衝動買い。
    幼児で見やすいように写真や絵がふんだんに使われた大型本。
    通勤時の読書に、と思ってましたが、大きすぎて必ず周囲の人から「何読んでんるだろ?」的な注目されます。
    内容的には広げても問題ないので堂々と読めます。

    著者が小さい頃にいただいた興味・関心を親が手助けできるように魚の種類や居場所や捕まえ方、飼い方、観察方法を丁寧に説明してあります。
    普通の学術本とは全く異なったアプローチで説明自体は難しいのですが、興味をいただいた人がこれからどうやって魚を研究していくか、を指導してくれています。
    魚を研究するうえでどこに興味をもつか、またはどこで携わっていけるかを教えてくれますし、普通に魚博士になる道や市民科学者としても活動できることを説明されています。

    小さいお子さんがいる親御さんにオススメです。

  • 真夜中は稚魚の世界

    真夜中は稚魚の世界
    真夜中は稚魚の世界
    Amazonで「この商品を買った人はこんな商品も買っています」コーナーで目についたのでポチってみました。
    帯のコメントが荒俣宏先生だったので余計に興味をそそられました。
    図鑑と写真集の間みたいなものです。

    最近、パラオで流行っているミッドナイトダイビング。
    そこで見られる浮遊系生物、稚魚を掲載されています。

    ミッドナイトダイビングとは、真夜中に水中にライトを設置して稚魚や浮游系生物を観察するダイビングのこと。

    深夜には深海に生息している深海魚や稚魚が餌となるプランクトンを求めて浅海へ訪れてきます。
    そのため、昼間には見れない稀有な生物に出会える機会が増えるそうです。
    魚は、稚魚・幼魚のうちは捕食者から身を守るため、成魚とは全く違う形態でいることが多い。
    特に稚魚は泳ぐことも儘ならず、周囲と同化できるよう透明のものが多い。
    闇夜に透けて見える稚魚はアートですね。
    また擬態の仕方もいろいろ。
    海洋生物の不思議さを更に実感しました。

    ナイトダイビングできるところはいくつかありますが、
    深夜まで施設利用できるようなミッドナイトダイビングをできる環境って日本ではなかなかありません。

    しかし、私たちの関西では唯一、紀伊大島でできるんです。
    須江ダイビングセンターさんです。
    年に数回しかありませんが、そういった経験をするっきゃない、でしょ。

    また弊サークルでもリクエストにツアー企画いたしますのでお気軽にお問い合わせください。
    詳しくは、ひではるまで(^^ゞ。

  • したたかな魚たち (角川新書)

    したたかな魚たち (角川新書)

    したたかな魚たち (角川新書)
    したたかな魚たち (角川新書)
    昨日、読み終えました。
    ここんとこ、この手の本を3連チャンです。
    と言っても、前の記事はバックアップミスで消失しております(*_*;

    2017年3月発売されました。
    児童向けの本や図鑑を監修されていることもあり、平易で、一つ一つのセンテンスも短めで読みやすいです。
    新書サイズであるのもカバンの隅に入れやすく、携帯しやすいです。

    魚の生態について難しいわけでなく、ちょっとした雑学として取り扱いやすい内容ばかりです。
    魚について迷信や噂などを科学データをもとに解説してあり、眼からウロコです。

    ニセクロスジギンポのカモフラージュに対して海域で差があることやオオスジイシモチの抱卵している卵を食べるオスがいることなど
    ためになることがいっぱいです。

    あと全世界でサメに襲われて死亡者数が1-13人だったのに対して、犬に襲われて死んだ人は25,000人という事実。
    映画「ジョーズ」によって植え付けられたイメージって怖いですね。