カテゴリー: 書籍

  • 水族館ガール

    水族館ガール

    水族館ガール全7巻

    この作品を知ったのは松岡茉優さん主演のNHKドラマを見かけたのがきっかけ。(DVDは出ておらず、オンデマンドで視聴はできるようです。)そのときは全話観ることもなく掻い摘んでみた程度でしたが、久々に見てみたいと思いましたが、オンデマンド視聴は敷居が高く未だ見れていません。

    そこで原作本を読もうと大人買い──ドラマは1クールもなかったのでまさか、7巻まであるとは….。

    読んでみて、ドラマと小説では設定自体違っていました。

    ドラマではOL3年目の主人公が失敗の連続から系列のはまかぜ水族館へ出向するとなっていますが、原作では千葉湾岸市(仮想)の公務員の嶋由香が市の外郭団体である水族館・アクアパークの慢性的人手不足に人事交流として出向させられるところから始まっています。

    1話は慣れない水族館勤務で次第にイルカとの関わりや先輩梶良平との恋物語をとおして主人公が成長する姿を描写しています。

    2巻以降はその梶先輩が大阪の海遊ミュージアムへ出向するところから始まり、嶋由香がイルカ以外のペンギン、ラッコ、ウミガメなどを担当するなかでガラス越しに見ている水族館では想像できない水族の生態や水族館の運営について詳しく解説されています。

    普段、水族館では華やかな部分しか私たちには見れませんが、水族の本来の姿をどうやって見せれるかなどを工夫されているんだと思い知りました。

    この小説を読んでから水族館に行けば、違う角度から見れるようになって数倍楽しくなること間違いなし、です。

  • 群青神殿

    群青神殿

    群青神話

    Amazonで衝動買い。

    文庫本は小説で新書のほうはマンガかとと思って購入してみたら、新書がもともとのやつで文庫本は改訂版みたいなものでした。

    タイトルからして、小説「ハイドゥナン」のようなニライカナイが出てくるのかと思いきや全然違いました。

    出だしの車両運搬船がどうなったのか、分からないまま、メタンハイドレート発掘の深海艇の場面に移っていてスゴイ展開になってどうなっただろう?と疑問のままほぼ半分近く読み進むまで全く分かりませんでした。

    深海からの謎の生物というのが神殿に最終最後までつながらなかったのが、作者の意図通りみたいでまんまと引っ掛かりました。

    深海艇の二人がカップルという設定がオジサンにはついていけませんでした。

    深海SF小説としては面白かったです。

  • 舞鶴の海を愛した男

    舞鶴の海を愛した男

    舞鶴の海を愛した男

    「遺産」に続き沈船ものの小説です。

    かの西村京太郎先生の十津川警部シリーズです。時代的には第二次大戦終戦後にGHQの命で軍艦が爆破自沈させられましたが、これは日本側が戦中に日本が国際法を蔑ろにした悪事を隠滅するために終戦まもなく自沈した船の話です。

    今や横浜港のシンボルとなっている日本郵船氷川丸──戦時中病院船として活躍、戦後引き揚げ船として活躍した──に第二氷川丸があったという設定です。

    十津川警部が出てくることで犯罪がらみというのが織り込み済み。

    しかも舞台が舞鶴の冠島沖という、毎年ツアーを開催している身としては絶対読んでおきたいものです。

    十津川警部シリーズなのでドラマ化してもらいたいものですが、登場人物は少ないのですが、如何せん、深海調査船とそれを運ぶ母船にサルベージ船に引き上げた第二氷川丸の残骸と設備が大々的過ぎて無理なんですよね。

    旧海軍が終戦間際に隠し持った金塊が最終的には昭和の復興に役立ったという良い話となっていた、めでたしめでたし。

  • 遺産

    遺産

    遺産

    このあいだの「海底のスペイン金貨」に続きスペイン・ガレオン船にまつわるものです。

    キップ・ワグナーの口述自伝でしたが、今回のは完全なるフィクション、しかも500ページ超の大作です。

    父親を海難事故で亡くした主人公が400年前に興田正五郎という航海士がスペイン大航海時代にガリオン船で亡くなっていたことを大伯父より聞いていてそのルーツを探るために水中考古学の道に進むが単に学術に身を置くのではなく、自由に活動できるフリーランスを選ぶ。

    そこで食い扶持に与るためにスクーバインストラクターとして豪華客船で仕事をしているときに太平洋上に沈没したアンヘル・デ・アレグリア号に洗礼名ミカエルという日本人が乗っていた事実を知り、恩師とともに調査に乗り出す。

    こういう男の浪漫的な読み物はハマりますね。

    一気に読み終えて、一期一会や男気などあり得ないことばかりですが、あっという間に読み切りました。

  • シナモンロールにハチミツをかけて

    シナモンロールにハチミツをかけて

    シナモンロールにハチミツをかけて

    サブタイトルが「太平洋で最も偉大なダイバーとボクたち、そして幸せな死別の物語」という長いタイトルです。

    タイトルに見覚えがあるような、既視感と言おうか、前に読んだあるのかと思い探しましたが、読んでなかったので購入してみました。

    レジャーで訪れていたトラック島(チューク)の名物ガイドのキミオ・アイサックさんの生い立ちと著者とのつながりと彼の死別後の記念碑設置に至るまでのストーリーです。

    本のページ数からしては値段はお高め。名物ガイドの伝記にしてはなんとも可愛らしいタイトルだなぁと思いましたが、読み進むにつれてそれがガイドが用意してくれる昼食だということが分かりました。

    戦中、日本の統治下で育ったキミオさんが戦後も日本(特にいっしょに過ごした日本軍人さん)に愛着があって大深度に沈んだ軍艦「愛国丸」から戦没者の遺骨収集されていたことやそれが祟って潜水病により晩年歩行困難にいたったことが紹介されています。

    著者が毎年のようにトラックに訪れたことでキミオさんと親交を深め親子然となって記念碑を設置した経緯。

    私もサークルを主催していて、いろんな方々とのつながりをもっておりますのが、こういったお付き合いができるってのは羨ましい限りです。

    あらためてトラックに行ってみたくなりました。

  • 海底のスペイン金貨

    海底のスペイン金貨

    海底のスペイン金貨

    先日読み終えた、「海底のスペイン金貨~フロリダ沖アクアラング作戦」(ワグナー/テイラー著)。

    たまたまヤフオクで見つけて即買い。(Amazonでは欠品中)

    発行年が私の生まれる1年前と、当時としてはアクアラングがまだまだごく一部でしかされていない時代に海底から金銀財宝を引き上げて一躍脚光をあびたキップ・ワグナーの口述自伝本。

    この発見により古代のゴールドラッシュよろしくトレジャーハンターが増大しましたが、実際はご本人が述べている通り、一攫千金というよりは発見までの弛まぬ努力と忍耐とたとえ見つかっても経済的に裕福にならないこと。

    また、まだまだダイビングというものが日本で普及していないため専門用語もない時代のため、日本語訳もちょっとおかしくてそれは笑えました。

  • 海洋咬刺傷マニュアル

    海洋咬刺傷マニュアル

    海洋咬刺傷マニュアル

    前に読んだ「事例から学ぶ潜水事故対策~潜水事故を防ぐために~」に参考出典されていたので、気になりググったところ、もう絶版になっていました。
    ない、となると余計手に入れたくなるもの。
    さらにググるとヤフオクに出品されていたため即入札。支払いを済ませ、郵便で到着して封筒を見た瞬間、「アレ?こんなもの。」という感想。 (写真のとおり)

    早速、読んでみました。
    海洋生物の紹介とそれに刺された患部や受傷部をカラー紹介してあり、その対処方法を解説してあります。
    また、海から上がった際に何から受傷したかを判断できるチャートが秀逸。
    なるほど持ち歩くにはちょうどのハンドブックにしてある理由が分かりました。

  • 海のいのちを守る: プロ潜水士の夢

    海のいのちを守る: プロ潜水士の夢

    海のいのちを守る: プロ潜水士の夢

    読書の秋。
    前回の「事例から学ぶ潜水事故対策~潜水事故を防ぐために~」を買ったときについでに買ってみた書籍です。

    脱サラをして作業ダイバーの道へ進んだ著者の半生を記したもの。
    港湾を開発する立場から海を保護する立場へのシフトチェンジしていく理由や精神的なつながりについて述べられています。
    共感できる部分や「これはちょっと、」的な部分もあり、人それぞれの考え方があってしかるべき、だと思いました。

    平易な文章で読みやすくいので作業ダイバーの生活やドルフィンダイブについて参考となるのではないでしょうか。

  • 事例から学ぶ潜水事故対策~潜水事故を防ぐために~

    事例から学ぶ潜水事故対策~潜水事故を防ぐために~

    事例から学ぶ潜水事故対策~潜水事故を防ぐために~

    タイトルからしてずっと読んでみたい本でした。
    出版元が東京法令出版ということで勝手に潜水事故の裁判関係の書籍かと思い込んでいました。
    たまたま中古本が出たので即買い。

    早速読んでみましたら、ちょっと違ってました。
    どちらかというと一般向けではなく、警察や消防の潜水チームやその監督者向けの本でした。
    事故を起こさないようにするには、的な出だしで少し退屈な部分でしたが、この本の肝である、ヒヤリ・ハットの事例集は良かったです。
    普段のレジャーダイビングでは経験しないようなこともあり、勉強になります。
    後半部は捜索方法、器材の紹介もあります。

    レジャーダイビングだけではなく普段目にすることのない、レスキューや遺体捜索などの潜水活動を知るのには良書だと思います。

  • AlertDiver Monthly Year Book 2017

    AlertDiver Monthly Year Book 2017

    Alert Diver Monthly Year Book 2017

    DANジャパンの会員ならば、タダで読める「AlertDiver」。1年に10冊の割合で発行されていて、会員ページでPDF形式で閲覧できる会報誌です。それを2017年の1年分を1冊にまとめたものです。

    ジャパンのブースで「一冊いかかがですか?」とスタッフの方から勧められましたが、もともとDANジャパンの会員なので既刊分は読めるのでその時は、「大丈夫です」と購入をお断りしました。

    ですが、緊急医療情報やホットライン、ダイバー保険などダイバーであるならば、DANジャパンに加入すべき、という持論を持っており、以前に医療相談でもお世話になっていることからDANジャパンを普及させるためにも、この本を買って車に常備してサジェストしようと購入しました。

    価格が良いお値段だけあって装丁がしっかりしていて参考書っぽい。

    内容もダイビング雑誌とは違ってスキル上達法や器材のカタログ的なものではなく、ダイバーにとって、気になる医療のことや身体に関することが載っているので一度手に取ってみてください。

    DANジャパンは、入会費3,000円(ブルーオーシャンフェス等のイベントの際に加入すれば無料になるかも?)と年間5,000円は大きい支出ですが、ダイバー保険にこのような機関紙が読めるので是非ご加入ください。決して損することはないと思います。

    私は、決してDANジャパンの回し者ではございません。